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皇室論

 皇室とは、わが民族共通の遠祖である。系図から系図へとたどってゆけば、必ず皇室へと行き着く。栄華を極めた藤原氏や武家政権の一時代を築いた源氏など歴史上の人物がそうであったように、民俗学で語られるようなわれわれ市井(しせい)の連中にも、皇室の血は確実に受け継がれている。一説によると、現代に生きるわれわれには、約1000年前に生きた約2000万人分の血が流れているという。こう見てみると、皇室とは民族みなが親しみ、慕うことのできる存在とも換言できるかもしれない。「日本民族」がそれを大切にしていきたいと願うのはまっとう感覚ではないだろうか。

 わが国民の間では、天皇をイギリス女王やローマ法王が唯一畏れる天の思し召しを受けた神であると捉えることが少なくないが、そういう彼らのなかにも宗教に対する軽侮と嫌悪の念を抱いているものが少なくない。信仰を嘲るものがなぜこの境地に達せられるか、私には理解できない。「彼ら」とは、別に戦前・戦中世代のことでない。多くは開眼した若者のことである。ところが、彼らが育った時代の風からは、容易にこの解を導き出せない。それなのに……となると、結局は単なる「反動」との印象を感じざるをえないのである。私は皇室や王室、それに聖職者(プリースト)に対しては、各文化・文明・宗教の誇りとして、最大限尊重すべきだと思っている。

 さて、伝統を受け継ぐ皇室は、その大部分の歴史と同じようにあられるのが望ましいのではないか。天皇を政治的動乱のたびに担ぎ出し、利用してきたいっときは、日本本来の姿とはいいがたい。威光を発しつつも、政治とは一定の距離を置く、これが皇室だったのだ。となれば、ここに回帰するのが真の保守というものではなかろうか。そのひとつとして、天皇が喧騒の東京から静寂の京都へとお戻りになられるというのはいかがだろうか。もともと天皇が現在の皇居(江戸城)に住まわれたのは、仮のお住まいとしてである(東京奠都)。当初は、京都御所にお戻りになられるつもりでいたにちがいない。天皇がこのことについてどうお考えになるかはわからないが、「歴史のなかの皇室」に戻る妙案のひとつだと思う。

 わが国の伝統や文化の多くは、天皇と密接な関わりを持つ。天皇は日本の土着的宗教・神道の祭司であったのだ。五穀豊穣を祈る祈年祭にしても、収穫を祝う新嘗祭にしても、天皇抜きには成り立ちえない。天皇はわが国の権威であるとともに、歴史・伝統・文化の創造主だったのである。さあ、われわれは勇気と自信を持って、この原点に帰って行こうではないか。
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オーデーベース

Author:オーデーベース
 顔と名前をお見せするその日のために、鄙見を認(したた)めてまいります。市政か、県政か、あるいは国政かわかりませんが、愛する日本と故郷のために勇往邁進することをお誓い申し上げます。

 人ひとりにできることは限られております。あるいは遺産も功績も何ら残せずに終えてしまうかもしれません。ただ、あのころの先人はよくやったと後世に云われたとき、その十把一絡げにされた先人のひとりにでもなれたのなら、それは大変喜ばしいことであります。子孫に少しばかりはわれわれを顧みてもらいたいなどというおこがましい希望はだれにでも起こりうるのではないでしょうか。それは、おおいに欲深い願望なのかもしれません。しかし、先祖を回顧していないわれわれだけが回顧されようなどという考えそれこそがおこがましいものであるにちがいありません。

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