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“持ち込ませず”では打ち込まれる

 5月3日から国連本部で開かれてきた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は28日、最終日を迎え、27日に提示された「最終文書」議長案をめぐる最後の調整に入った。前回2005年再検討会議の決裂で大きく低下したNPT体制の信頼回復に向け、会議の成否を決める作業は大詰めを迎えた。

 カバクトゥラン議長(フィリピン)が示した議長案は、「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」の3分野で、計64項目の行動計画を盛り込み、核保有国の「核廃絶への明確な約束」を再確認。当初案に比べ表現が弱まったり、削除された行動計画があるものの、前向きな内容も多い。

 しかし、文書全体を通じて合意が得られていない部分も多く、採択に持ち込めるかどうかは微妙な状況だ。議長は27日の全体会議で、同案について「多数の国を満足させられないかもしれないが、提示できる最良のものだ」と指摘。修正を試みれば全体のバランスが崩れ「会議の成功を危険に陥れる」と警告した。(28日付共同通信「NPT再検討会議、最後の調整 議長案採択は微妙」)


 5月3日から開催されている核拡散防止条約(NPT)の再検討会議が28日、閉幕を迎えるのを前に、各国の代表は最終文書の採択に向けて、詰めの作業を続けている。フィリピン国連大使のカバクトゥラン議長が配布した修正議長案によれば、「北朝鮮が2006(平成18)年、2009(平成21)年に実施した核実験を最も強い表現で非難する」という文言が盛り込まれたものの、アラブ諸国が提案していたイスラエルのNPT加盟や中東の非核化に関する記述は見送られた。

 核開発疑惑を持たれているイランのアハマディネジャド大統領は4日、同条約の見直しを要求した。現在のNPTは1967年1月1日の時点で核兵器を保有していたアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の保有を認める一方、保有していなかった国々には、新たな製造や開発を禁じ、「国際原子力機関(IAEA)」による査察の受け入れを義務付けている。これに対し、5大国の核軍拡に明確な制限はない。

 一方、イランは世界4位の石油埋蔵量を誇る産油国だが、石油精製能力は低く、ガソリンの約40%を輸入に頼っている。核開発を進める表向きの理由はこのラックを補うためだ。だが、そうであるなら、高濃縮ウランを用いなくとも、低濃縮ウランで十分。イランの目的は平和利用の域を明らかに越えている。

 そこで、イランに提案だ。かつて小欄「“核なき世界”は実現可能か」(1月24日付)で、「核共有連合(NSN)」を提案した。これは非保有国を中心とする枠組みで、加盟国が核攻撃を加えられた場合、投下国に対して即座に核報復が行われる仕組みだ。また、保有国は保有量に応じて核保有税を納税し、NSNに核兵器を譲渡すれば、それだけ負担は減る。イランもこうした考えに立って、不平等なNPTを改めていかないか。

 かくいう日本もそろそろ核について真剣に考える必要がある。第一に、日本が二度と核を落とされないようにすること。そして、世界に核を落とさせないように努めること。

 わが国の憲法は「自衛のための必要最小限度」の核兵器を保有することを禁じていない。しかし、いざとなると、NPTを脱退し、国内法の原子力基本法を改正しなければならない。といっても、アメリカが、世界が持たせはしまい。哀しいかな! アメリカの核をより有効に用いる以外に途はないのである。しかしながら、核抑止力という一点においては、借り物も自前も大差はない。少なくとも、いまよりははるかにましである。

 まず、ニュークリア・シェアリング・システム(NSS)を検討する。ご承知のとおり、NSSはすでに北大西洋条約機構(NATO)加盟国の間で完成している。ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーの非保有国が平時に核兵器を自国に「持ち込」み、駐留アメリカ軍と共同で「持」つ。有事の際には、核兵器の使用権限がこれらの国々に譲渡される仕組みだ。ただ、譲り渡した核兵器が自国に向けられるのを警戒するアメリカは、対象を投下型のB61核爆弾など戦術核兵器にとどめているため、NATOのようなNSSで日本が得られる利益はほとんどない。

 では、どうすべきか。日本とアメリカの位置関係がヨーロッパとアメリカのそれより遠い点を活かすのだ。日本は脅威の多くをアメリカとともにするが、アメリカが他人事でいられる地域がある。北朝鮮と中国だ。そこをカバーできるだけの足の短いミサイルに核を積み、シェア(共有)する。これなら大陸はおろか、ハワイにすら届かない。これが一点。

 もうひとつはパーシング・システムだ。ソ連が1976年、中距離ミサイル・SS20を西ヨーロッパに向け、実戦配備したことに西側諸国は反発。アメリカは1984年、西ドイツやイタリアをはじめとする西ヨーロッパ全域にパーシングⅡを配置した。この結果、東西の戦力が拮抗し、最終的に「中距離核戦力全廃条約(INF)」が締結され、両ミサイルは撤去される。つまり、われわれも「持ち込ませず」をやめるのだ。核の不保持と非製造は守られるうえ、アメリカには前例がある。西欧同様、日本にも反核の嵐(風上は中ロ)が吹き荒れるかもしれないが、前者に比べれば、ハードルは低いだろう。

 日本は被爆したのにもかかわらず、核や原子力の脅威から目を背ける「核アレルギー」に染まっている。故中川昭一元財務・金融相が批判したとおり、三原則は「持たず、作らず、持ち込ませず、議論せず、考えさせず」なのだ。だが、人の命を命と思わない国が身近にある以上、核シェルターや医療体制の整備といった「被爆対策」だけでなく、NSSやパーシングⅡといった「爆対策」を講じる必要がある。そして、いざとなればいつでも作れるのだと世界に誇示するべきである。

 ところで、アメリカのオバマ大統領が核廃絶に向けた取り組みを強めているのはなぜだろうか。巷で噂されていることとは別の理由が存在するような気がしてならない。アメリカは現在、非核弾頭ミサイル(CSM)の研究を始めている。大気圏外から槍を地上に降り注ごうというのだ。完成の暁には、もちろん核は不要になる。オバマの唱える「核なき世界」がCSMと引き換えでないことを祈っている。いずれにせよ、「持たず、作らず、持ち込ませず」、さらには「議論せず、考えさせず」の結果、「打ち込まれる」では意味がない。
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台湾の義援金に感謝

 台湾の“大使館”に当たる台北駐日経済文化代表処は24日、口蹄(こうてい)疫被害が広がる宮崎県に義援金300万円を送った。東京都港区の交流協会東京本部で贈呈式が行われ、馮寄台駐日代表が宮崎県東京事務所の岡村巌所長に義援金の目録を手渡した。

 贈呈式では馮代表が「台湾と日本は密接な関係にあり、台湾に被害があれば日本は最初に救援してくれる国。微力だが役立ててほしい」とあいさつした。

 台湾と宮崎県は以前から深い交流があり、昨年8月、台湾南部が台風8号の被害に遭った際には同県が見舞金を送っている。今年1月には台北-宮崎間に定期航空便も就航している。(25日付産経新聞「【口蹄疫】台湾が宮崎県に義援金」)


 台北駐日経済文化代表処は24日、口蹄疫被害を受けた宮崎県に義援金を送った。心温まるご支援に心より感謝を申し上げたい。

 こうお礼を申せば、1999(平成11)年の台湾大地震で、最初に台湾入りし、救助に当たったのは日本の国際消防救助隊だった。2003(平成15)年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行したときは、義援金をもらったと返してくる。

 台湾よ、そういうことをおっしゃるのなら、新型インフルエンザがわが国を襲った昨年、200万枚ものマスクを提供してくれたではないか。日本と台湾はお互いさまだ。

 日台はいつまでもこういう気持ちのよい関係でありたいと願っている。

山田宏氏出馬でいっそう悩まされる比例区投票先

 日本創新党を立ち上げた東京都杉並区の山田宏区長は25日、区長を辞任する方針を固めた。複数の関係者によると、7月の参院選に出馬するとみられる。午後同区役所で記者会見して明らかにする。

 山田区長は松下政経塾出身で、現在3期目。任期は来年4月26日。今年4月18日に地方自治体の首長や首長経験者を中心に結成した日本創新党の党首に就任。前横浜市長の中田宏氏らとともに地方からの国政改革を訴えている。(25日付産経新聞「山田宏杉並区長辞任へ 参院選出馬の見通し」)


 22日土曜日、所用で出かけた名古屋駅前(桜通口側)では、新党「日本創新党」による演説が行われていた。わが身が高層にあったため、内容を拝聴することは叶わなかったが、その代わりに聴衆の推移はよくよく眺めることができた。11時過ぎから始まった演説会は、横浜市議らの演説に次いで、7月の参院選に比例区から出馬する予定の中田宏前横浜市長、党首の山田宏杉並区長の順に行われた。高い知名度を誇る中田氏が100人を超す聴衆を集めたものの、終盤の山田氏の演説ともなると、人影もまばらになっていく。ナンセンスな!という思いに駆られずにはいられなかった。

 日本創新党の肝は間違いなく山田氏にある。山田氏は区長という立場ながら、国を憂い、おかしな歴史認識や教育問題に積極的に向き合ってきた。杉並区教育委員会が2005(平成17)年、「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」の作成した『中学社会 改訂版 新しい歴史教科書』(扶桑社、2005)を採択できたのも、山田氏の姿勢が少なからず影響している。また、区が独自に小学校教員を養成、採用するための「杉並師範館」を2005年に設置し、これまでに71名もの卒塾生を区内の学校に輩出するなど教育に民間の活力、新しい風を取り入れてきた。

 その山田氏が25日、区長を辞任し、参院選に出馬する方針を固めた。山田氏は衆院議員を一期務めているが、やり残したことがあるのだろう。憲法改正や集団的自衛権の行使の解釈変更といった戦後課題に決然と立ち向かってほしい。

 平沼赳夫元経済産業相が結成した保守政党「たちあがれ日本」が与謝野馨元財務相や園田博之元官房副長官らの「横やり」によって「ブレ」始め、タレント候補を擁立するなど「こび」だしている。たちあがれ日本に対する期待感は依然として強いが、誤った流れへの批判はやむをえない。同党への参加を見送った中山成彬元国土交通相がこの点について、鋭く指摘している。

 私は年初来、「民主党は駄目だということが分かったが、自民党は頼りにならない」という国民の声に応えて、「保守本流」を旗印に掲げて、平沼、田母神両氏と共に第三極づくりを進めて参りました。しかし、政治理念や政策の違う与謝野、園田、藤井氏らが発起人に加わったことで、考えていたものとは異質な新党になってしまいました。

 平沼先生は以前、櫻井よし子さんとの共著で「リベラルがこの国を潰す」という本を出されましたが、最近は読売新聞等で報道されたように、「リベラルな与謝野、園田両氏が加わってくれて、間口が広がって良かった」とまで言われています。

 私は既存政党の外に新党を作ろうという考えでしたが、平沼先生は政党要件である5人の国会議員にこだわられました。現職でない私は、新党の理念づくり等に参画できなかったことは残念でしたが、平沼先生にとっても、「庇を貸して母屋をとられた」気持ちがしているのではないかと思います。しかし、先生にしてみれば、永年、新党を作ると言い続けてきて、狼少年と揶揄(やゆ)されていただけに、やむを得ぬ妥協であったのだろうと理解しています。(4月28日付中山成彬オフィシャルウェブサイト「私は『たちあがれ日本』には参加しません。」より)


 こう語った中山氏だが、参院選への出馬はあきらめていないという。しかし、このまま中山氏や同氏と政治思想や信条を一にする田母神俊雄前航空幕僚長が別の党から出馬、または別の党の応援に回れば、保守が共倒れする可能性も否めない。だが、両氏と平沼氏の共著『真の保守だけが日本を救う』(講談社、2010)を拝読した限り、三者の思想はほとんど重なる。それは山田氏も同じである。2月16日に平沼赳夫事務所からいただいたメールには、永住外国人への地方参政権の付与に反対する山田氏の論文「外国人参政権が国民生活を壊す」(月刊誌「VOICE」〈PHP研究所〉3月号)が添付されていた。平沼氏と中山、田母神両氏、それに山田氏の連携は今後、十分ありえそうだが、少なくとも今夏の参院選ではバラバラだ。山田氏の出馬により、比例区の投票はいっそう悩まされることになりそうだ。

日米韓で対北制裁への流れを

 岡田克也外相は21日午後、都内でクリントン米国務長官と会談した。韓国の哨戒艦沈没事件について、両外相は、日米韓3カ国が緊密に連携して北朝鮮に対処することを確認。米軍普天間飛行場移設問題については、5月末の決着に向けてさらに努力することで一致した。

 会談後の共同記者会見で、クリントン氏は「北朝鮮に強いはっきりしたメッセージを出すべきだ。挑発行為には報いがある」と強調。普天間問題については「運用上、政治上、持続的な解決策を見いだしたい」と述べた。(21日付時事通信「クリントン氏『北の挑発に報い』=普天間、5月決着へ努力―日米外相が会談」)


 46人もの死者・行方不明者を出した韓国海軍の哨戒艦「天安」沈没事件の調査結果が20日、発表された。調査は当事国の韓国だけでなく、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデンの専門家が加わり、1ヶ月以上行われ、沈没の原因を「北朝鮮の魚雷攻撃」と結論づけた。北朝鮮は国際法に違反したうえ、朝鮮戦争の休戦協定、南北基本合意も犯したことが改めて明らかとなった。

 北は1983(昭和56)年のラングーン事件、1987(昭和62)年の大韓航空機爆破事件といったテロ行為だけでなく、2006(平成18)、2009(平成21)年には、弾道ミサイルと核実験をそれぞれ行っている。2006年の核実験では、安倍晋三首相(同年の弾道ミサイル発射実験は小泉純一郎首相、安倍官房長官)、ブッシュ大統領と日米は強力であったが、韓国は太陽政策を敷く盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領であった。続く2009年は麻生太郎首相(2006年の両実験では外相)と李明博(イ・ミョンバク)大統領が担ったが、アメリカは比較的穏健な外交方針をとっていたオバマ大統領だった。日米韓の歯車はことごとく合わない。そして今回、わが国を指揮するのが「友愛外交」で知られる鳩山由紀夫首相だ。オバマ大統領が就任1年を経て、硬軟織り交ぜた外交を展開し始めていただけに、きわめて残念なことである。

 ところが、その鳩山氏が「私どもとすれば、韓国の立場を支持する」「韓国が安保理に決議を求めるということであれば、ある意味で日本として先頭を切って走るべき」(20日)と発言するなど力強い。岡田克也外相も「まず、国際社会の一致した対応が求められている」(20日)と安保理決議を目指すという。韓国に対する溢れんばかりの「友愛」なのかもしれないが、拉致・核・ミサイルを解決するには、日米韓の団結が欠かせない。理由はどうあれ、鳩山・岡田両氏には有言実行してほしい。

 そんななか、やはりネックとなるのは中国だ。金正日国防委員長が先日、訪中したことで、哨戒艦沈没事件に関する話し合いが持たれたものとみられる。というのも、北の国防委員会は調査結果の発表中にもかかわらず、「捏造である」との声明を発したのである。北がこれほど過敏に反応するのは異例といえる。表向き平静を装っている中国が上海万博を控えるいま、北に対して必ずしも都合のよい返事をしなかったからであろう。だとすれば、日米韓が決議を要求することにより、中国の出方は変わりうる。同時にそれは拉致問題にもプラスに傾く。他人事では済まされない。

 衝突が起こった黄海上の軍事境界線「北方限界線(NLL)」の付近では、南北の争いが絶えない。NLLをめぐる北の主張に無理はあるものの、領海や排他的経済水域(EEZ)に神経をとがらせるのは国家の定め。島を一島盗られて、黙っているのはわが国ぐらいのものである。日米韓が団結すべきであるのはいうまでもないが、北の気概から学ばねばならぬものもまたたくさんある。

民主党の危ない改憲論

 安倍晋三政権下で2007(平成19)年に成立した国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)が18日、本格施行(一部はすでに施行)される。これにより、憲法改正が可能となる。

 ■現行憲法3つの問題

 鳩山由紀夫首相の祖父・一郎氏は、国民投票法を制定せずして、「憲法改正」「再軍備」を唱えていた。けだし一郎氏が掲げた勇ましいスローガンは、政敵・吉田茂元首相との相違を作り出すための美辞麗句に過ぎなかった。だが、仮面が剥ぎ取られた現代、日本国憲法の欺瞞を糾弾する改憲を行わねばならない。

 私は現行憲法に対し、3つの問題意識を持ってきた。ひとつは成立過程。憲法問題調査委員会代表を務めていた松本烝治(じょうじ)国務相は憲法改正要綱(いわゆる松本試案)を作成するが1946(昭和21)年2月1日、毎日新聞にスクープされる。その内容が保守的であることに驚愕したマッカーサー総司令官は3日、コートニー・ホイットニー民政局長に草案作りを命令。草案に憲法学者や専門家が携わっていないだけでなく、ホイットニーは部下のケイジスらに対し、リンカーンの誕生日である2月12日までに仕上げるよう指示したという。しかし、ハーグ陸戦条約の条約附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」43条には、「国の権力が事実上占領者の手に移りたる上は、占領者は、絶対的の支障なき限、占領地の現行法律を尊重して、成るべく公共の秩序及生活を回復確保する為施し得べき一切の手段を尽すべし」とある。にもかかわらず、アメリカは自らの手で強引に書き替えたのだ。

 2つ目は従来から指摘されている憲法9条である。ここにいう「戦力」とは、侵略のための「戦力」であり、集団的自衛権の行使や国連決議による軍事的制裁までも否定するものではない。たが、恣意的な解釈を防ぐために、解釈の余地を狭める条文改正を行うべきだ。また、自衛官の士気を高揚するため、国軍の保持を明記することも重要。これについては、多くの国軍保持論者と変わりない。

 3点目は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という他力本願な前文、3章を中心とする「権利」「自由」の跋扈、日本の歴史や伝統、文化がすっぽり抜け落ちている点である。アメリカ人が作ったのだから当たり前であるが、改めなければならないことのひとつである。

 私は3点すべてを問題視するものであるが、護憲派も1点目、すなわち出自の問題については、もう少し関心を持つべきでないか。場合によっては「焼き直し」だけでもよい。日本人が日本国の憲法を創るのは当然のこと。自国民が触れていない憲法では、遵法精神を喚起できないうえ、独立国として恥ずかしい。

 ■“改護”の争いではない

 かつて改憲を唱えるものといえば、9条2項の改正、つまり国防軍の保持を目指す勢力であった。しかしながら、これとは異なる改憲論が近年、論壇を席巻していることにまだ多くの国民は気づいていない。民主党は2004(平成16)年の「憲法提言中間報告」で、国連中心主義の明確化を宣言している。しかし、国連は国際連合でなく、「戦勝国」連合。日本人がその響きから抱いてきたイメージとはおよそ異なる。第二次大戦で勝利した五大国のうち、一国でも反対すれば、何ひとつ決まらない。すべては常任理事国次第。日本は決議なしに制裁が行われる「旧敵国」とされている。これが日本の安全保障上問題であるのはいうまでもないが、中国政府による言語を絶する人権弾圧に拍車をかけることにもなる。国連の人権機関において、米国が受けた排除の数々を鑑みれば、おのずと危険は知れよう。

 「専守防衛」の明示もそのひとつだ。包丁を持って向かってくる相手に、刺されるまでは何もしない――個人であれば、ありえるのかもしれない。だが、この問題は国家の問題である。刺されるまではみんなで待とう、というのはずいぶん無責任でないか。奇人の道連れか。

 そして、最大の問題は「国家主権の移譲」を目的とする憲法改正。鳩山首相のいう東アジア共同体構想である。

 そもそも、近代憲法は、国民国家創設の時代の、国家独立と国民形成のシンボルとして生まれたものである。それらに共通するものは、国家主権の絶対性であり、国家による戦争の正当化であった。これに対して、21世紀の新しいタイプの憲法は、この主権の縮減、主権の抑制と共有化という、まさに「主権の相対化」の歴史の流れをさらに確実なものとし、これに向けて邁進する国家の基本法として構想されるべきである。それは例えば、ヨーロッパ連合の壮大な実験のように、「国家主権の移譲」あるいは「主権の共有」という新しい姿を提起している。


 共同体に法律の改廃や通貨の発行、場合によっては、戦争さえ「移譲」する。チベットやウイグル、内モンゴルにみる人権弾圧も「共有」する。このような「壮大な実験」を日本で行うのはやめていただきたい。欧州と東アジアの情勢は、民族構成や文化水準といった多くの点で、大きく異なる。東アジア共同体が欧州連合(EU)以上の問題を抱えるのは必至で、危険は護憲を上回る。国連至上主義を超える売国行為といってよいだろう。国連が日本の国益としばしば対立する中国やロシア、ときにフランスのペースに呑み込まれる場なら、主権移譲はペースどころか、中国それ自体に併呑される。民主党の改憲論は本当に危ない。
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プロフィール

オーデーベース

Author:オーデーベース
 顔と名前をお見せするその日のために、鄙見を認(したた)めてまいります。市政か、県政か、あるいは国政かわかりませんが、愛する日本と故郷のために勇往邁進することをお誓い申し上げます。

 人ひとりにできることは限られております。あるいは遺産も功績も何ら残せずに終えてしまうかもしれません。ただ、あのころの先人はよくやったと後世に云われたとき、その十把一絡げにされた先人のひとりにでもなれたのなら、それは大変喜ばしいことであります。子孫に少しばかりはわれわれを顧みてもらいたいなどというおこがましい希望はだれにでも起こりうるのではないでしょうか。それは、おおいに欲深い願望なのかもしれません。しかし、先祖を回顧していないわれわれだけが回顧されようなどという考えそれこそがおこがましいものであるにちがいありません。

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