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米国ぐるみのトヨタつぶし

 トヨタ自動車は15日、米カリフォルニア州サンディエゴ近郊の高速道路で急加速を引き起こしたとされるハイブリッド車「プリウス」について、技術者らが関連部品の徹底的な検査のほか、走行テストなど多岐にわたる検証を行ったものの、車両に急加速を引き起こすような異常は見られなかったとの暫定調査報告をまとめた。

 調査は米道路交通安全局(NHTSA)関係者と米議員らの立ち会いの下、10、11の両日実施された。トヨタは暫定報告で(1)アクセルペダルは正常に機能(2)前輪ブレーキは著しく摩耗していたが、後輪ブレーキとハンドブレーキは良好な状態(3)正規品のフロアマットは留め金には固定されていなかったが、アクセルペダルを妨害もしくは接触するような状態は確認されず(4)アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合、エンジン出力が減退する機能は正常に作動-などと説明した。(16日付時事通信「問題プリウスに異常なし=米当局との調査でトヨタ」)


 トヨタ自動車は、今年1月31日、米国内で昨年末から問題となっていたアクセルペダルの不具合に応える全面広告を米主要紙に掲載したが、そこに明確な謝罪はなかった。これは消費者に対する誠意に欠けており、人命に直結する事故を起こしかねない機器を製造する企業として取るべき対応とはいえなかった。トヨタに愛着をもち、トヨタを誇りに思ってきた多くの日本人にとっては、起こってしまった不具合そのものよりむしろ、「詫び」を怠った緩慢な応対を遺憾に思ったことだろう。ただ、米国では謝罪が日本ほど好意的に受け止められるものではないということも知っておく必要があるかもしれない。豊田章男社長の公聴会出席以降というもの急速にそう思えてならない。ことばを選び、誠心誠意答弁する豊田氏に対して、米議会議員のあまりに辛辣な発言が相次いだ。この逆はありえないだろう。秋の中間選挙を前にしていきり立つ議員が、ことの本質を見失ったことは残念でならない。

 今回、米国人男性による「でっち上げ」疑惑が取り沙汰されたこともあり、米国側の姿勢にも厳しい目線が注がれようとしている。日本のメディアも、日に日にその色が強くなりつつあるように思う。というのも、騒動(8日)直後、弁護士を携え、「トヨタを訴える」と息巻いていたこの男性は、12日までに「訴えるつもりはない」と話し、一転してトヨタを告訴しない考えを示した。実は不動産業勤務のこの男性、おととしにビジネスに失敗して、70万ドル(約6300万円)の負債を抱えていたのだという。これらを確認した米メディアでは、男性がトヨタのリコール問題に乗じて、高額な賠償金を掠(かす)め取ろうとしたのでは、という見方が濃厚になってきて。最終的には、男性の経歴云々は度外視して、事実関係のみを検証すべきであるが、男性が何ひとつ反証できない点からも、この騒動は「でっち上げ」で間違いなさそうである。「川に落ちた犬は、棒で叩け」は、あってはならない。

 労働争議において、妻や子どもなどの家族や町全体が争議を支援する動きを「ぐるみ闘争」というが、一連の騒動はまさにこの象徴的事例といってもよいだろう。ご案内の通り、2008(平成20)年のリーマンショック以降、米大手自動車メーカーであったGM(ゼネラル・モータース)、クライスラーは経営破綻し、その後破産法(日本の民事再生法に相当)を申請、事実上国有化された。このような米国の自動車会社がある一方で、世界同時不況の荒波に揉まれながらも、ここまでなんとか乗り切ってきたトヨタに対するアメリカ政府の嫉妬は尋常ではなかっただろう。たぶんこれは、今回の「バッシング」の強弱と無縁ではないと思う。トヨタのリコール件数は、アメリカのメーカー各社のリコール件数と比べても決して高くない。販売台数の多い会社の割りには、ずいぶん低いといってよい数字である。現に販売数の多い3グループを比較するとこうである――全米リコール9058件中、GM系9058件、クライスラー系3260件、トヨタ669件(米運輸省高速道路交通安全局調べ)。トヨタのリコール件数は、全米リコール件数の7.38%に過ぎないのである。これをもって、トヨタのみが批判されるということが果たしてあってよいのだろうか。もちろん、リコールはない方がよいに決まっているが、トヨタだけが不当に貶められるのはフェアでない。日本経済の生命線でもあるトヨタは、実績と誇りを胸に信頼回復に全力を尽くせ。

 トヨタがここまで叩かれる一因には、支持率低下に悩めるオバマ政権とその有力な支持基盤である労働組合の存在がある。GM、クライスラーの労働者が、全米自動車労働組合(UAW)に所属しているため、それを支える労組の構成員の待遇改善こそが民主党政権の生命線になっているのである。当然、そのためにはトヨタが潰れるに越したことはない。つまり、この前の公聴会はGM、クライスラーの株主である政府とライバル企業・トヨタとの闘いであり、公聴会に出席した議員の大半は、第三者的立場になかったといえる。これもまた、フェアでない。GM、クライスラーの株主である政府が自分たちに不利な点に目を瞑ったままでは、本来の目的である不具合の減少につながらないではないか。労働組合の強い影響下にある政権には、このような問題が生じやすい。1994(平成6)年ごろのクリントン(民主党)政権下でも「ジャパン・パッシング」が起こったのがその典型だ。他国を貶めることによって労組の不満を解決する――米民主党政権には常に注意が必要である。

 これは日本の現政権も同じだ。日本の地方自治体職員などによって構成される自治労(全日本自治団体労働組合)を抱えた民主党政権に公務員制度改革などできようはずがない。これまで度々、族議員や官僚を糾弾してきた民主党だが、労組に手足を縛られていることは紛れもない事実で、自民党時代のそれと大差はない。現に発足して半年たった鳩山由紀夫政権から公務員制度改革の方針は、いっこうに示されない。散々批判してきた「天下り」「渡り」についても、前政権を堂々と踏襲している。われわれが民主党に望んだことがもしあるとすれば、不要な事業と無能な公務員の削減だけである。にもかかわらず、マニフェストに書かれていないやらなくてもよいことをやりたがり、マニフェストに書いてあるやらなければならないことをやらないのである。日本のためを思うなら、即刻退く以外に義(ただ)しき途はない。
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プロフィール

オーデーベース

Author:オーデーベース
 顔と名前をお見せするその日のために、鄙見を認(したた)めてまいります。市政か、県政か、あるいは国政かわかりませんが、愛する日本と故郷のために勇往邁進することをお誓い申し上げます。

 人ひとりにできることは限られております。あるいは遺産も功績も何ら残せずに終えてしまうかもしれません。ただ、あのころの先人はよくやったと後世に云われたとき、その十把一絡げにされた先人のひとりにでもなれたのなら、それは大変喜ばしいことであります。子孫に少しばかりはわれわれを顧みてもらいたいなどというおこがましい希望はだれにでも起こりうるのではないでしょうか。それは、おおいに欲深い願望なのかもしれません。しかし、先祖を回顧していないわれわれだけが回顧されようなどという考えそれこそがおこがましいものであるにちがいありません。

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