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フジタ社員拘束の真実がなぜ語られぬ

 尖閣諸島沖での中国漁船による衝突事件に日本が揺れていた9月20日、準大手ゼネコン「フジタ」の日本人社員4人が中国の「軍事目標」を不法に撮影したとして、中国当局に拘束される事件が発生した。社員のうち3人は同30日に、残るひとりも10月9日に解放されたが、帰国した社員は「軍事管理区域と気付かずに入り、写真撮影した」と語ったのみで、マスコミが真相を究明することもなかった。いったいどうなっているのだろうか。

 フジタの社員が中国を訪れていたのは、旧日本軍が遺棄したとされる化学兵器を処理するためである。1997(平成9)年に発行された化学兵器禁止条約(CWC)では、化学兵器の使用を禁じるジュネーヴ議定書が締結された1925(大正15)年以降に遺棄された化学兵器を遺棄した国の責任のもとに処理することとされた。ところが、中国にある遺棄化学兵器は、戦後すぐに日本軍からソ連軍、もしくは中国軍に引き渡された――あるいは、中国が内乱に備える目的で、ソ連軍から引き継いだ――ものであり、日本が処理する必要はまったくなかった。事実、パナマに遺棄したとされるアメリカは、運河地帯返還に関する「新しい運河条約及び運河中立条約(トリホス・カーター条約)」を理由に処理を拒み、アメリカやイギリス、ドイツによって遺棄されたイタリアは独自に処分を進めている。にもかかわらず、それを勝手に蒸し返し、日本の責めに帰したのがほかならぬ河野洋平元外相である。

 こういうバックグラウンドの一切を放擲して、中国はフジタ社員を拘束したのである。だいたいあれだけ秘密国家の中国が外国人を軍事機密に近づかせるわけがない。読売新聞は拘束直後に次のような記事を載せている。

 だが、民兵の倉庫などがあるという軍施設に通じる道路の入り口には、部外者の立ち入りを制限する軍事管理区域を示す標識は見当たらない。そこから200~300メートル進むと軍施設の門が見え、同区域を示す標識が出てくるという。

 視察中の4人が同区域の存在を意識せずに道路を進み、軍施設前まで入り込んだところで拘束された可能性もある。地元住民以外で軍施設の存在を知る人は少なく、これまでも勝手に入って簡単な注意を受けるケースがあったという。

 今回のように拘束に至った事例は、「聞いたことがない」と住民も驚く。(9月25日付読売新聞「フジタ社員拘束現場?進入制限の軍施設標識なし」より)


 おそらくとるに足らない「軍事機密」の寸前まで社員らを導いておいて、カメラを構えるのをニヤニヤしながら待っていたのだろう。540億円もの巨額の税金をつぎ込んだ日本の善意が見事に踏みにじられたのだ。しかし、こうした事実や過去をマスコミが報じることはなかった。これは尖閣諸島の領有と同様に、たいへん重要な問題である。沈黙を貫く菅直人内閣とマスコミに疑いの目を向けずにはいられない。
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内から劉氏が、外から世界が

 中国の民主活動家、劉暁派氏へのノーベル平和賞受賞が発表されたことについて、フランスのクシュネル外相は8日声明を発表し、「フランスは何度も劉氏の釈放を呼び掛けてきた。今後もこの呼び掛けを繰り返す」と述べ、改めて中国政府に劉氏を釈放するよう要求した。

 また「ノルウェーのノーベル賞委員会が独立した方法でこの選択をしたことで、人権擁護のため平和的に戦うすべての人々に、強いメッセージを送った」と同委員会の決定を高く評価した。(8日付産経新聞「【劉氏に平和賞】仏外相が釈放要求の声明」)


 中国の民主活動家・劉暁波(りゅうぎょうは)氏が8日、ノーベル平和賞を受賞した。中国政府は、劉氏がノーベル平和賞の受賞候補に挙がっていた当初から不快感を示し、「授与すれば、ノルウェーと中国の関係は悪化するだろう」(6月)とノーベル賞委員会、ならびに委員会の所在するノルウェー政府への圧力を強めてきた。受賞後には、「賞の趣旨に完全に反し、平和賞を冒涜するものだ」と激しく反発し、「ノルウェーとの関係に損害を及ぼすだろう」(いずれも8日)と同国への対抗措置まで示唆し始めた。

 その中国に対し、フランスのクシュネル外相が劉氏の釈放を要求した。この発言といい、北京オリンピックの開会式のボイコットを匂わせたりといい、自由や平等に敏感なフランスらしい動きといえよう。臆することなくものをいう姿勢は、日本も大いに見習うべきだ。また、昨年は核兵器の廃絶を訴えたアメリカのオバマ大統領が受賞するなど何かと疑問の多いノーベル平和賞だが、一国の圧力に屈せず、民主化の指導者へ授与したことは評価すべきだろう。

 劉氏は天安門事件が起こった1989(平成元)年、民主化運動に参加したとして収監される。1991(平成3)年には釈放されるが、その後も民主化や司法改革を求め続けて活動。「世界人権宣言」の採択から60周年を迎える2008(平成20)年、政府に民主化を求める「08憲章」を起草すると、発表直前に身柄を拘束され、今年2月には、国家政権転覆扇動罪で懲役11年、政治的権利剥奪2年の実刑判決を受ける。今なお、服役中だ。

 中国人には、いい加減自分の国の異常さに気づいてほしい。海外テレビ放送が突然、視聴できなくなるなどふつうの国ではありえない。そのことに気づいたら、劉氏のように自ずと腰は上がるだろう。

法は踏みにじられた

 処分保留で釈放された中国漁船の●其雄(せんきゆう)船長(41)は25日午前4時(日本時間同5時)ごろ、中国側の用意したチャーター機で福建省の福州空港に到着し、妻子や中国外務省幹部ら関係者数十人の出迎えを受けた。(●は「擔」のつくりの部分)

 野球帽をかぶった船長はチャーター機のタラップを降りる際、両手を上げてVサインを作った。空港の貴賓室で約45分間、国内メディアの取材などに応じ、空港を後にした。国内を中心に100人近い報道陣が詰めかけたが、十数人の日本メディアは「事前登録がない」との理由で、空港内の取材から排除された。

 新華社電によると、船長は「共産党と政府の配慮、そして祖国の人々の関心に感謝する。日本が私を逮捕、拘置したのは違法だ。釣魚島は中国の領土で、政府の立場を断固支持する」と語った。船長は健康診断などを受けた後、同省晋江市の自宅に戻るとみられる。(25日付読売新聞「中国人船長が帰国…『逮捕、拘置は違法』」)


 尖閣諸島沖での中国漁船による衝突事件を受け、漁船船長を逮捕、勾留していた那覇地検は24日、船長を処分保留で釈放することを決定し、船長は翌日未明に帰国した。処分保留とした理由について、那覇地検の鈴木亨次席検事は「わが国国民への影響と今後の日中関係を考慮した」、今後の起訴の可能性についても、「尖閣諸島付近の海域の状況や日中関係の推移を見ていくことになる」と述べた。

 これはわが国の伝統ある法秩序が蹂躙されたことにほかならない。いうまでもなく、検察にはこうした政治判断を行う権限がない。越権ということである。しかも、船長は自身の行った「体当たり」が明らかな違法行為であるにもかかわらず、那覇地検の取り調べに対して、「現場は中国の領海だ」と供述してきた。つまり、自国領海内で操業していた自分が日本の法律で裁かれるのは不当だ、と主張しているのである。その船長を起訴せずして釈放すれば、尖閣諸島における中国の領有権を認めることにつながりかねないではないか。

 本来、検察は外交や政治上の問題に悩まされることのないよう「粛々と」判断できる体制となっている。しかし、今回は検察自らその防波堤を踏み越えていった。なぜか。総理不在の官邸を取り仕切った仙谷由人官房長官がこの判断に一枚噛んでいることは間違いない。暗に指揮権を発動していたということである。麻生太郎元首相はいった。「いつから地方の、地検の次席検事ぐらいが国際のことを考えて、法律曲げるんだね。おかしいと思わんかね」。

 検察による釈放の一報に触れ、海上保安官が気の毒でならない。領海侵犯に耐え、違法操業も忍び、公務の執行を妨害されて、ようやく逮捕に至る。それでも、検察は起訴しない……。士気が低下し、萎縮するのも無理はない。だがしかし、国民のほとんどは海上保安庁の味方である。いかなる犯罪者であっても徹底的に捕まえ、それをマスコミが報じる。国民、マスコミ、海保が一丸となって、検察の「ことなかれ主義」を糾弾していこうではないか。法を棄てた検察は禽獣にほかならないのだから。

 今回の決定は法の権威の失墜を招いただけでなく、外交の敗北でもある。2004(平成16)年、中国人活動家7人が尖閣諸島・魚釣島に上陸したため、沖縄県警が出入国管理法違反(不法入国)の疑いで活動家らを逮捕するという事件が発生した。しかし、国外退去による解決を望む検察の意向に従った県警は、身柄を那覇地検に送致せず、福岡入国管理局に引き渡し、7人は強制送還された。この措置について、当時の小泉純一郎首相は「法に基づいて適切に処理するということで対処してきたし、同時にこの問題が日中関係に悪影響を与えないように、大局に判断しなければいけない。そういう基本方針に沿って関係当局に指示している」とコメントしたが、それでも一応は威信を示した直接強制であった。今回の「野放し」とはまるでちがう。

 一方、世界はこの問題に立ち向かう日本の姿勢を関心と期待をもって見守っていた。特に西沙諸島や南沙諸島の領有権を含む南シナ海の権益をめぐって、中国と対立してきた東南アジア諸国は、日本に「確固たる姿勢」を求めてきた。それもそうだろう。彼らは長年、中国の脅威に怯え、ときに衝突を繰り返してきたのだ。ところが、「あの日本」の面影は消え失せて久しい。力を落としただろうか、それとも納得か。

 単独では劣るフィリピン、ベトナム、インドネシアなどの国々は、中国との個別交渉を避け、東南アジア諸国連合(ASEAN)一丸となって取り組んでいるほか、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、インドに協力を求めている。7月に行われた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)では、アメリカとベトナムがタッグを組むという数十年前ではありえない情景も見られた。かくいう日本も一対一では競り負ける。ならば、国際社会を巻き込むべきではなかったか。

 1996(平成8)年には、アメリカのモンデール駐日大使が「尖閣諸島は日米安保条約の適用外である」との発言をしたことがあったが、このほどクリントン国務長官からも「明らかに日米安保条約が適用される」との言質を取り付け、尖閣諸島が日米安保条約5条の「米国の対日防衛義務」の対象となることを確認した。ただ、同国のクローリー国務次官補(広報担当)は、尖閣諸島の領有権の所在についての明言を避けており、アメリカすら味方とはいえない。対等な日米関係を唱えるなら、アメリカのこの態度をこそ改めさせなければならないはずだ。

 22日には、中国政府が日本へのレアアース(希土類)の輸出を全面禁止したという情報も飛び込んできた(ニューヨーク・タイムズ)。政府による禁輸となれば、世界貿易機関(WTO)の協定に違反する可能性が出てくる。だから、強気の中国政府とてお茶を濁すのだ。レアアースの一種であるネオジウムやジスプロシウムは、エコカーや液晶テレビ、携帯電話の製造に必要な高性能磁石に欠かせぬ鉱物資源だ。中国が世界需要の97%を供給しているため、ほかに担い手はない。だが、資源を握る一方、中国には加工する技術がない。当分の間は、中国だって持て余すのである。

 いずれにせよ、レアアースの輸出を止められようとも、わが国には正義を守る責務がある。東京都の石原慎太郎都知事がいった「何のために、何の利益を追求するのか。観光? 貿易? そういう金銭の利益以上のものが国家にとってあるだろ。これでとんでもないものを失うんだよ」(24日)ということである。それにしても、この問題に対して、経済優先を唱える経済界や街のビジネスマンには辟易した。

 2006(平成18)年、経団連の奥田碩会長(当時)が小泉首相(当時)の靖国神社参拝に自粛を要請するということがあったが、この金銭至上主義が私を商人(あきんど)嫌いへ駆り立てる。経済が重要なのはいうまでもないが、中国へ行く要人よ、あなたがた中国人が見聞きできる情報は限られている。あなたがたの政府がいかなる統制をしているか、一度外に出てみてほしい。あなたが北朝鮮を嘲笑っているように、日本人もあなたを嘲笑っている、ぐらいのことをいったらどうだ。はらわたが煮えくり返る思いである。

大国に怯むな

 中国の温家宝首相による上海万博招待を受け、21日から予定されていた日本の大学生ら約1000人の上海訪問について、中国側が受け入れを延期すると日本側に伝えたことが20日分かった。

 日本の外務省によると、中国の受け入れ団体が19日夜、北京の日本大使館に対し「現在の雰囲気でこのような友好交流事業を実施することはふさわしくない」と延期を通告した。尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた日本の巡視船と中国漁船の衝突事件への直接的な言及はなかったものの、中国政府は同日夜、中国人船長の拘置延長に抗議し、日中間の閣僚級以上の往来停止などを発表しており、対抗措置が両国の交流事業にも波及した形だ。

 延期通告を受け、日本政府は直ちに「訪中直前の決定は極めて不適切かつ遺憾だ」と中国側に申し入れた。 

 今回の万博招待は、5月末に訪日した温首相が鳩山由紀夫首相(当時)との首脳会談で表明。西村智奈美外務政務官を団長に大学生と各都道府県の代表が、21~24日に上海市を訪問する予定だった。渡航費や宿泊代などは中国側が負担し、中国共産党傘下の中華全国青年連合会が受け入れ窓口を務めていた。

 日中の青少年交流ではこのほか、中国側の招待で10月19日から日本の高校生ら約1000人が北京市などを訪問する予定だが、外務省によると現段階では中国側から延期通告はないという。(20日付時事通信「邦人青年1000人の万博招待延期=尖閣問題、日中交流事業にも影響」)


 尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件をめぐって、日中両国の関係が緊張の度を増してきた。中国政府が閣僚級会合の凍結を通達してきたのである。これは公務執行妨害容疑で拘束している漁船船長の勾留期限を10日間延長したことに対する歴とした報復措置とみるべきだろう。

 しかし、日本は怯むべきでない。漁船は領海を侵して密かに操業していたため、当然にして農林水産省の許可を得ていない。この時点で、船長は立派な罪を犯しているのである。しかも、海上保安庁が臨検の実施をちらつかせると、たいていの漁船がすごすごと逃げていくなか、この漁船だけは体当たりを試みてきたのだ。本来なら領海侵犯や違法操業はひとり残らず処罰すべきだろうが、そうはなかなかいかないものだ。ならば、より悪質なものから捕まえ、罰していくのはごく自然なことではないだろうか。大国にいかなる圧力をかけられようとも、わが国は耐え忍び、正義を貫いていかなければならない。これが先祖伝来の美徳なのだ。

 ここで尖閣諸島の領有権の所在をもう一度、確認しておきたい。尖閣諸島は1895(明治27)年、ほかに領有権を主張する国がないことを確認したうえで、正式にわが国の領土に編入された。ゆえに、同年に締結された下関条約で定められた「日本国ニ割与ス」る地域に尖閣諸島は含まれていない。そればかりか、1970(昭和45)年以前に中国で発行されていた地図では、日本の領土に色分けされていた。ところが、直後の1971(昭和46)年、中国は尖閣諸島の領有権獲得に意欲を見せ始める。国連アジア極東経済委員会(FCAFE)が1969(昭和44)年、尖閣諸島近郊に石油、天然ガスなどの地下資源が豊富に眠っていることを発表したからだ。「うそも百回いえば真実になる」と信ずる民族にもはや付ける薬はないのだろうか。

日本近海における最近の中国の活動

(11日付産経新聞「防衛白書 中国軍は『懸念事項』 沖縄通過で表現強める」より)


 尖閣諸島に関する動きもさることながら、中国のここ数年の暴走はとても見過ごすことができない。2000(平成12)年と2008(平成20)年には、中国海軍の艦艇が津軽海峡を通過したのち、太平洋上で示威行動を展開する事態が発生したが、近年は沖縄周辺の海域をわが物顔で航行している。漁船などの民間船舶による侵犯であっても問題なのだが、ことは中国海軍である。まことに異常かつ剣呑な事態だ。そして、これが大した事件にもならずに、いつしか忘れ去られていく。これも異常である。この国はいつ中国と交戦してもまったく不思議でないし、日米同盟が揺らげば沖縄などはすぐにでも奪われる。現に明治日本が沖縄を侵略したとの論文がにわかに中国国民の関心を集めているではないか。

 中国はいま、日本政府の対応を注意深く見守っている。「過去」に対する不当な罪悪感は、往々にして「現在」を歪めるものだが、前原誠司外相はなぜだかその色が少し薄い。反日デモの来賓や部落解放同盟の副委員長を閣内に揃える空前絶後の左翼政権のなかにあっては、野田佳彦財務相とならぶ光明である。政府が出方を誤れば、中国の暴走をますますエスカレートさせることになる。この事件の沈静を闇雲に急ぐのではなく、中国の脅威に相対する日本の布陣を整えるきっかけにしてほしい。

島嶼・権益・シーレーン防衛こそが繁栄の生命線

 北京の日本大使館は15日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた中国漁船衝突事件に絡み、日本に抗議する行動が散発しているため、在留邦人や日本人観光客、出張者に対し、安全確保に十分注意するよう呼び掛けた。

 大使館によると、邦人社会を標的にした抗議行動やデモが行われるとの具体的な情報はない。公安当局からは「邦人の安全に万全を期す」と連絡を受けているという。ただ、18日には満州事変の発端となった柳条湖事件から79年を迎える。

 反日ムードが盛り上がる恐れもあり、大使館は(1)広場など人が集まる場所では周囲に注意を払う(2)中国人と接する際に言動や態度に注意する(3)日本人同士で集団で騒ぐなど刺激的な行為は慎む-ことを呼び掛け、注意喚起している。

 また、反日世論を警戒し、北京の日本人学校は18日に予定していた運動会を10月に延期した。中国公安当局と日本側の話し合いで決めたという。一方、中国側も日本企業などで働く中国人に対し、日本料理店への出入りを含め行動に注意を払うよう通知した。(15日付時事通信「抗議散発、邦人に注意喚起=漁船衝突で反日警戒-日本大使館」)


 尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、漁船船長が逮捕された事件を受け、中国国内の反日ムードが高まっているという。2005(平成17)年に頻発した反日デモからわれわれが学んだように、中国国民は悪びれることなく、日章旗を焼き払い、日本関連施設を際限なく破壊する。このことを踏まえ、在留邦人や観光客には十分ご注意いただきたいのだが、中国国民の民度を世界に知らしめるにはよい機会でもある。この国の病理をとくと見守りたい。

 事件の発端は日本固有の領土である尖閣諸島の周辺において、中国漁船が領海を侵して、違法操業していたことにある。そのこと自体がすでに問題なのだが、当該漁船はあろうことか、海保の巡視船に衝突を試みる。海保は今年、尖閣諸島近海を航行する中国漁船に対して、14件の立ち入り調査を行ってきたが、船長や船員の逮捕に至ったのは今回が初めてだ。穏健な海保を駆り立てたのは、限度を知らない中国側であり、その罪は重い。

 一方の海保も(1)領海侵犯(2)違法操業(3)公務執行妨害の3要件を充足するまで逮捕しないというのは、あまりに腰が引けすぎてはいまいか。この漁船が逮捕された際には、少なくとも数十隻の中国船籍が尖閣近くの日本領海を侵犯していたといわれている。(1)領海侵犯を取り締まる法律は存在しないが、(2)違法操業、(3)公務執行妨害は現行法で罰することができる。これを機に、海保には毅然とした職務執行をお願いしたい。

 それにしても、中国の一連の居丈高な態度は、いったい何様のつもりなのだろうか。当初から丹羽宇一郎駐中大使を深夜に呼び出すなど日本に対する圧力を強めており、このほどは今月中旬に予定されていた東シナ海ガス田共同開発に関する条約締結交渉の延期を伝えてきた。また、沖縄本島西北西に位置する日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査中の海上保安庁測量船2隻に対しても、調査の中止を要求。太平洋の権益をアメリカと二分することを目標に掲げる中国の動きはここ数年、激しさを増している。

 そこで、中国が狙っている日本の島嶼(とうしょ)や権益、シーレーンを保全することがわが国の生存と繁栄を決定づけるのはいうまでもない。核兵器や弾道ミサイルから本土を守ることはもちろん大切なのだが、より可能性が高いのは島嶼や権益、シーレーンの侵犯、占領だ。すでにわが国はロシアに北方領土を、韓国には竹島を不法占拠され、中国には日本のEEZ内のガス田を奪取されている。われわれは核やミサイルの脅威と等しく――あるいはそれ以上に――、この脅威に向き合っていかなければならない。
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プロフィール

オーデーベース

Author:オーデーベース
 顔と名前をお見せするその日のために、鄙見を認(したた)めてまいります。市政か、県政か、あるいは国政かわかりませんが、愛する日本と故郷のために勇往邁進することをお誓い申し上げます。

 人ひとりにできることは限られております。あるいは遺産も功績も何ら残せずに終えてしまうかもしれません。ただ、あのころの先人はよくやったと後世に云われたとき、その十把一絡げにされた先人のひとりにでもなれたのなら、それは大変喜ばしいことであります。子孫に少しばかりはわれわれを顧みてもらいたいなどというおこがましい希望はだれにでも起こりうるのではないでしょうか。それは、おおいに欲深い願望なのかもしれません。しかし、先祖を回顧していないわれわれだけが回顧されようなどという考えそれこそがおこがましいものであるにちがいありません。

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